展示案内

以下順を追って、展示の大略を紹介いたします。先ず本館(旧酒倉)の2階は「維新前夜と動乱の群像」と題して明治維新関係の展示で、6室に分れ、各部屋毎にテーマを決め、それに沿って展開しています。

第1室は「維新の先駆者」が主題で、幕藩体制の根本的な危機という内憂に加えて、西欧列強の外圧にゆれた天保期に生き、維新の先駆者となった人物として、渡辺崋山、高野長英、藤田東湖、徳川斉昭、伊達宗城、松平慶永、大塩平八郎、江川太郎左衛門、高島秋帆、村田清風などの遺墨に加え、「荒歳流民救恤図」や「凶荒図録」などを通して、天保のききんの惨状を図示してあります。

第2室は「吉田松陰と松下村塾」で、ペリー来航により、時代はまさに激動期に入り、吉田松陰と松下村塾門下生の活動期になります。吉田松陰の没後150年を記念して松陰の獄中書簡を特別に展示しました。この書簡は松陰が萩の野山獄から実兄に宛てたもので反古の裏に書いてあります。
書簡の内容としては、獄中に差し入れの本のこと。実父や叔父の病気を心配していること。松陰の留守中の事などが記されています。そのほか松下村塾の双璧と言われた高杉晋作、久坂玄瑞、さらには品川弥二郎などの遺墨と松下村塾の教育方針として床柱に掲げられていた柱聯(拓本)が展示してあります。

第3室は「安政の大獄」として、安政の大獄で処罰を受けた頼三樹三郎、梅田雲濱などの遺墨に併せ、安政の大獄の始まる直前から桜田門外の変後にかけて、江戸の町民が世相を諷して詠んだ狂歌、狂句などで、当時の庶民感情の一端をうかがうことの出来る情報文書が並びます。

第4室は「幕末に活躍した幕臣群像と鎖国から開国へ」という題の下、江戸城の無血開城を果たした勝海舟、開国を迫る諸外国との外交の衝に当った大久保一翁、筒井政憲、川路聖謨、岩瀬忠震などの遺墨を展示してあります。ここからは、幕末の難局に当った幕臣としての気概が感じられます。さらに開国となり、外国との貿易が進み、異人の錦絵が多く描かれました。

第5室は「幕末の諸事件と幕末維新をいろどる女性」です。
桜田門外の変に参画した多くの水戸浪士の書簡、坂下門外事件の大橋訥庵、生麦事件の海江田信義、天狗党の乱の武田耕雲斎などであり、女性では、松尾多勢子、大橋巻子、老女村岡、蓮月尼、野村望東尼等であります。尊皇攘夷運動が高揚した時代を駆け抜けた人々の遺墨から時代の昂奮が伝わってきます。

第6室は「西郷南洲・坂本龍馬をめぐる人々」です。
西郷隆盛の師であり薩摩藩主の島津斉彬、錦江湾に西郷隆盛と投身自殺を図った清水寺の僧月照、海援隊、薩長同盟などで活躍した坂本龍馬、最後の将軍の徳川慶喜、西南戦争で熊本城を死守した官軍司令官谷干城の南洲を惜しむ詩と、西郷隆盛の有名な言葉「児孫の為に美田を買わず」の書などがあり、維新の変革は何であったかなど、あれこれ思いをめぐらすのも一興です。

本館の1階に進みます。一番奥には日露戦争勃発に際して備蓄された100年前の米の他、あらめ、山牛蒡の葉など、ききんに備えて蓄えた食料の現物が置かれてあり、飽食の時代に生きる吾々への無言の警鐘となっています。

次は古橋家、財団法人古橋会関係の展示室です。

突き当たりに掲示してある児島基隆に描かれた31枚の画は、初代から6代までの古橋家の歴史を絵にしたもので、代々当主の開拓精神、勤倹力行の様が窺われると共に、主を扶け、支えてきた関係者の献身ぶりが画かれ、「家」の存続ということの要因を考えさせられます。また明治5年、地方にさきがけて開学した明月清風校関係資料なども展示されています。

本館の1階のその他の展示室は企画展会場、特別展会場となっております。

以上が懐古館の大略の展示案内です。
是非歴史の再発見をしていただきたく、一日のご清遊をお待ち申上げております。

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